ART
ファインアート、デジタルアート、写真など、注目のアーティストの作品をスタジオ展示。
Art
2022年10月28日放送
テラコッタによる実物大の動物彫刻。
彫刻表現における自然科学との融合性がテーマ。
Seto Yu (瀬戸優) | 彫刻家
1994年神奈川県小田原市生まれ。自然科学を考察し、主に野生動物をモチーフとした彫刻作品を制作する。彫刻の素材であるテラコッタ(土器)は作家の触覚や軌跡がダイレクトに表面に現れ、躍動感のある作品となっている。画廊での展示販売を中心に国内外へ幅広く作品を提供。
受賞歴多数。ファッションブランドとのコラボレーションやメディアへの出演等、幅広く活躍。
東京藝術大学美術学部彫刻科 卒業。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻 修了。
2022年、「YU SETO STUDIO」を立ち上げる。
Interview
幼少期から自然科学が大好きで、図鑑や資料を見て育ってきました。特に進化生物学に関心があります。そこに魅力を感じるのは、進化してきた生命が今もなお残り、自分と「同時刻的に」地球のどこかで生きているということに感動があるからです。 「リアル」という言葉にはいろいろな意味が含まれますが、「本物そっくり」「細密な造形」などといった視覚的リアルと、「動き出しそう」「生々しい」などのリアル、また「リアルタイム(同時刻的)」といった言葉のニュアンスもあります。私の作品で視覚的リアルはあまり重要ではありません。「生き生きしていること」と「同時刻的」であることが重要です。 また、素材は地球の大地から採取できる粘土です。 指紋やヘラの跡など、造形する上での痕跡が多く残されています。私の息遣いや素材との対話の時間を、作品を通じて感じてもらいたいです。それも私が制作したという「リアル」です。 多くの作品の題目にしている「水源」には様々な意味が含まれています。水は生命の源であり象徴です。焼成した粘土に薄めた絵の具を何度もかけ流すように彩色することで、自然なグラデーショ ンを生み出します。水の力と重力を借りるということが非常に重要です。「水源」のように湧き上がる生命力を表現できたらと思います。 撮影協力 : 株式会社Preferred Networks 「PFN 3D Scan」